2008年5月1日木曜日

  ウスリースク便り(39)

  12月28日(金)の夜半から振り始めた雪が降り続き、29日(土)の授業は、1時限目は2人、2時限目は雪のため休講にしました。雪は30日の早朝まで断続的に降り続き、40cm近くに達しています。昨年の記録を更新したようです。ウスリースクは、真冬は、日中でもマイナス15℃位になるので雪の日も、降雪量も少ないのですが。


(1)ザチョット

 ロシアの大学の試験には、5年生の国家試験を別にして、二種類の定期試験があります。今年度からは、さらに、2課ごとの復習のためのコントラリー・ラボータと呼ばれる復習テスト(チェック・テスト)が導入されました。

 導入したのはいいのですが、勉強してくる学生は優秀な学生だけです。私の担当している韓国語クラスでは、6人中2人が5段階評価の5、あとの4人は5段階評価2で追試ということになりました。同一問題の追試でやっと合格するありさまです。優秀な学生は、自発的に復習を行っているのでチェック・テストは必要がなく、90分をかけてテストを行うのも無駄なような気もします。

 ザチョットは日本の大学の試験のように、ペーパーテストで学生全員が同一問題でテストを受けます。今年度の4年生には、漢字テスト10問を出題しました。漢字は毎週6つの新出漢字を練習し、音読み、訓読みの熟語を2~3つ学習しています。9月~12月までに学習した漢字の熟語100を事前に配布しておきました。韓国語専攻の学生は、漢字学習が困難な学生が多く、今回もできが悪く、拗音や撥音の振り仮名がむずかしかったようです。

 聞き取り問題5題(日本分を聞いて設問に答える問題)、読解問題5題(日本分を読んで設問に答える)は、昨年の問題の設問部分を改訂して利用しました。問題も易しく、素直な問題だったので成績はとてもよかったです。

 露文和訳10題は、既習の構文48題をリストにして事前に配布しておきました。全問の50%が露文和訳と配点が多いことも事前に学生に知らせておきました。
 
例) 1. 細かいお金がないんですが、どうしたらいいですか。
   2. 新幹線から富士山が見えます。
   3. 彼は、アルバイトをしながら、大学で経済を勉強しています。
   4. 電車に大事な書類を忘れてしまいました。
   5. 来週の金曜日に出張から帰る予定です。

 試験翌日、合否を学生に知らせ、合格者には科目名、日付け、サインをしました。女子学生1人が、再試も不合格のため、2月に再々試験実施になりました。

(2)エグザミン


 エグザミンとよばれる、口頭試問形式の試験があります。問題はすべて口頭試問の形式をとることと、学生の人数分の問題を用意するところに特徴があります。5年生は、1月のエグザミンの他、4月の卒業試験、6月の国家試験の3回すべてが、この形式で行われます。
 
本来5年生の試験は1月2週に行われるのですが、私が1月6日(日)帰国の航空便をすでに購入済みなので、その一部を12月中に行うことで教務と学生に了解してもらいました。日本の大学では大学の許可や学生の了解が得られないこともありえますが、この点ではロシアの大学はとても鷹揚です。(29日に後期授業がいつ始まるか聞きに行ったところ、1月の試験終了時までには決定して、発表するとのことでした。)

 露文和訳と文法の問題は、1月にAyako先生にお願いすることになりました。5年生は中国語専攻の学生8名と韓国語専攻の学生4名、計12名の学生分の問題を用意しなくてはなりません。幸い、28日(木)が同一時間に試験実施が可能なため、8種類の問題を用意しました。読解問題は昨年度3年生に実施した読解問題の中から、比較的難しいものを選び、ルビと注をとり、解答時間10分間にしました。読解問題を音読してもらったあと、その内容について、2問質問をします。

 24日(月)の授業で、学生から報告があり、中国語クラスの3名の女子学生が日本語の試験を受けられないという報告がありました。4年生の学年末試験の中国語が不合格で、5年生前期は仮進級ということで授業を受けていたのです。中国語の再・再試験に不合格だったため、後期は4年生からのやり直しが決定したとのことでした。3年次には10名いたこのクラスはちょうど半数になってしまいました。(教育大のためか、この点は他大学より厳しいようです)

 結局、聞き取り問題は5人分用意すればよいことになりました。聞き取りの内容は同一にし、設問部分をかえて出題しました。インタビュー形式なので、聞き取りの内容を各一に2回、計10回読むことになったのは致し方ありません。

 漢字の試験は、4年生と同様に、既習の漢字100を事前に配布し、文章の中で読ませるようにしたので、好成績でした。5名の学生の成績は、30点満点中24~29点でした。1月の露文和訳、文法の試験も事前にリストを渡してあるので、全員合格してくれることと思っています。

 先週末に引いた風邪がなかなか治らず、大晦日に予定していたウラジオストクの花火大会見学(夜なので、とても寒そう)を取りやめにしました。近くのスーパー・5+(ピャーチ・プルス)で売っていた深大寺そばを食べて年を越します。

 皆様、どうぞ良い年を、お迎えください。1月6日(日)に帰国します。

0 件のコメント: