2008年5月27日火曜日

ウスリースク便り(60)

 O おおきなかぶ

 3年前に、ロシアに来るときにM.A.さんから、おおきなかぶ(福音館書店)と光太夫オロシャばなし(新日本出版社)の二冊の本をいただきました。

 『光太夫オロシャばなし』は天明二年、光太夫ら十七名の乗る神昌丸が、駿河の沖で、はげしい風浪にまきこまれ、漂流すること八ヶ月、アラスカに近い小島に流れ着きます。

 やがて、エカテリーナ二世に拝謁を許された光太夫らが、十年にわたって生死のさかいを生き抜いた話です。

 一行の中で、ロシアに帰化した庄蔵と新蔵はイルクーツクで日本語学校の教師をし、その時の生徒は6人だったとのことです。(こんな昔に、ロシアで日本語教育が行われていました。)

 『おおきなかぶ』は、ロシアのお話で、ロシアの子供は必ず、おばあさんや、おかあさんから、子供のときに聞いたことがあり、誰もがそらんじています。

 福音館書店版の絵本の絵を描かれたのがM.A.さんの絵の先生の佐藤忠良(さとうちゅうりょう)画伯だったことから、出発前に贈っていただきました。

 昨年度の、学内スピーチ・コンテストの課題文に使いました。また、今年度、富山県白山市から5名の方がウスリースク教育大学を訪ねて来られた時に、学生たちが、おじいさん、おばあさん、まご、いぬ、ねこ、ねずみに扮して、自分たちも楽しみながら日本語で演じてくれました。

 日本に帰ったら、ぜひ、孫にも聞かせてあげようと思っています。

 おじいさんが かぶを うえました。 
「あまい あまい かぶになれ。 おおきな おおきな かぶになれ。」

  おじいさんは かぶを ぬこうとしました。
 「うんとこしょ どっこいしょ」
 ところが かぶは ぬけません。

 おじいさんは あばさんを よんできました。・・・・・・・・・・・・・・・・それでも かぶは ぬけません。
          おばさんは まごを つれてきました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・
                  まごは いぬを ・・・・・・・・・・・・・
                       いぬは ねこを ・・・・・・・・・・・・・・
                            ねこは ねずみを ・・・・・・・・・・・・

 ねずみが ねこを ひっぱって
        ねこが いぬを ・・・・・・・・・・・・・
             いぬが まごを ・・・・・・・・・・・
                  まごが おばあさんを ・・・・・・・・・
                       おばさんが おじいさんを ・・・・・・・・・・・

 「うんとこしょ どっこいしょ」 
 やっと かぶは ぬけました。

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