2008年6月29日日曜日

ウスリースク便り(82)

 O 卒業式

 今年度の卒業式が、陸軍所有の大劇場で、28日(土)に行われました。卒業式の開始予定時刻を10分過ぎて、式が始まりました。(ロシアタイム)初めに司会者2名(男子学生と女子学生で今年度の卒業生)から来賓の紹介があり、市の教育担当の部長(女性)から祝辞がありました。

 次にこの女性部長から、市の活動(ヴォランティア活動)に参加し、功績のあった卒業生が表彰されました。日本語履修者の中からは、韓国語専攻のヴァレンティーナさんが「子どもたちに韓国の踊りを教えていること」が認められ表彰されました。

 次に学長が挨拶に立ち、卒業生と両親、教員への祝辞、謝辞が述べられ、今年度で学長の職を下りることを表明し、次期学長の紹介と、その挨拶がありました。現副学長が平服で卒業式に参列していて、私のすぐ後ろの席に座っていたので、不思議に思っていました。次期学長が現副学長にかわって、卒業生の呼名を行いました。

 各専攻ごとに卒業生が呼名され、学長から赤い卒業証書を手渡されます。最初に物理専攻の学生が表彰されました。14名中4名が男子学生で各専攻の中で最も男性の割合が高かった専攻です。実は、ここで呼名され表彰を受ける学生は成績優秀者だけで、5段階評価で5か4(4の数には専攻により決まりがある)で、かつ卒業論文の評価が5であるなどの要件があります。

 日本語履修者9名の中で成績優秀者として表彰されたのは、前述のヴァレンティーナさんとM.エカテリーナさん(中国語専攻)の二人だけでした。マーシャさん(中国語専攻)は卒業論文の評価が4であっために成績優秀者に該当せず、そのためか、卒業式にも、卒業パーティーにも出席していなかったのが気になります。

 日本の卒業式と全く違う所は、この専攻ごとの学生の合間に、学生による歌、踊り、寸劇、漫談などが行われることです。また、成績優秀者に選ばれなかった卒業生がこの中に多数参加していることです。この大劇場での卒業式のあとで、大学に行き専攻ごとに卒業生に卒業証書が授与されたそうです。

 最後に、卒業生の中で在学中の課外活動で、優秀な成績を収めた学生が表彰されました。M.エカテリーナさんは、昨年度ウラジオストクで行われた日本語弁論大会の暗誦部門第一位で表彰されました。ヴァレンティーナさんは、昨年イルクーツクで行われた韓国語弁論大会のスピーチ部門第一位で表彰されました。

 卒業式の所要時間は2時間30分、その半分以上は学生の歌や踊りによるものでした。日本人の感覚では、全員の学生が卒業式に参列できないことや、厳粛な卒業式には場違いなコントなどもあり、時間も長すぎることから、卒業式のあり方としては疑問もありますが、参列した学生や両親、家族は満足していた様子なのでロシアの大学の卒業式としては普通の形式なのでしょうか。

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