2008年4月30日水曜日

ウスリースク便り(41)

3月も残りわずか一日なりました。便り(40)のあとも、毎日暖かい日が続き、夜中に2度1cm程度の積雪がありましたが、日中には全部とけてしまいました。市内の中心部には、凍結した雪も見られません。大学職員のオルガさんの話によると、「この20年間で、こんなに暖かい冬は初めて」とのことです。暖かさのためか、野良猫や野良犬が例年以上に走り回っているのが見られます。当初は、厳寒のシベリアの地に野良猫がたくさんいることが信じられませんでした。

ロシアの集合住宅は1階が地上1mくらいの高さにあり、その下に半地下があります。この地下室には、電気、電話、水道、湯道、下水などが配管されていて、集合的に管理が行われています。古くなった建物の半地下の窓が壊れていることが多く、中は暖かいため、この半地下に住み着いています。また、一部の野良猫は、現在使用していない、ふたのないマンホールの中や覆いのこわれた湯道管(地上に設置されていて、コンクリートで覆われている)の中に住み着いています。えさは、ゴミ箱(高さ80cmくらいの鉄製の箱)の中をあさって食べるか、猫好きの人たちが野良猫のために作った餌場から食べています。シベリアの野良猫は皮下脂肪をたくさん蓄えていて、日本の基準で言えば、「超デブ猫」になります。0℃をこえると外に出てきて動き回り、現在、日夜求愛活動に励んでいます。




(1)トラブルあれこれ
a. インターネットが不調です。 15日(土)から21日(金)までロシアのサーバーのUchiにつながりませんでした。UchiつながったあとInternet Explorerで日本にメールを送っています。以前に大学側が、サーバーへの代金が未払いで2日ほど利用できないことがありました。国際部長に点検を依頼した所、係りのものが病気で欠勤しているので、待つように言われました。21日の夕方、2時間ほどつながったあとで、また切れてしまいました。国際部長に再度点検を依頼した所、係りのものがまだ病気のためもうしばらく待つように言われました。28日(金)の夕方、突然、サーバーへの接続ができるようになりました。留守中に係りの人が、直しに来てくれたのか、未払いの使用料を払ったためなのか、接続できなかった原因や理由は不明のままです。




b. マンホールに落ちました。 以前に、ロシアにはふたのないマンホールがあるので、気をつけている話を書きました。放課後、教材用のコピーを依頼するために文房具屋へ向かいました。行きつけの文房具店は、メイン・ストリートのチチェリーナ通とレーニナ通(レーニンに由来)の交差点があり、人通りの多い所です。横断歩道があり、左折するために横断歩道の手前のマンホールに左足を乗せました。


すると鉄製の蓋が斜めに傾き、左足が足首まで入ってしまいました。鉄製の蓋が反動でもとの位置まで戻ってきたため足首が固定され、転んだまま動けなくなってしまいました。横断歩道を反対側から渡ってきたロシア人の青年が駆けつけてくれて、鉄製の蓋を動かして助けてくれました。

幸い、軽い打撲と捻挫ですんだのでよかったのですが、運が悪ければ骨折の可能性もありました。工事の人が、きちんと蓋をもとに戻していなかったためか、蓋を持ち去ろうとした人物が、重さのため途中であきらめて、そのままにしておいたためかも知れません。翌日、この話をロシア人の学生にすると、アンナさん(5年生・韓国語専攻)は「先生、ウスリースクでは蓋のあるマンホールも、注意してください。」と言って、ウインクしました。
c. 本が受け取れません。 中央郵便局から、日本から郵便物が届いているという配達通知が来ていてので、パスポートをもって荷物を受け取りに行きました。日本からの郵便物は。EMSで10日、航空便で約14日、船便で30~40日かかります。窓口でパスポートと配達通知を提示しました。通常なら、用紙にパスポート番号、名前、受取日を記入すると郵便物が受け取れます。


窓口の若い女性は、私の配達通知と書類を見て、なにやら早口のロシア語でまくしたてます。どうやら郵便物を受け取るのに、580ルーブルを支払えと言っているようです。理由をきいてもよく分かりません。日本からの送り状を見せてもらうと、桐朋高校の卒業生が38冊の本を送ってくれたことがわかりました。


以前、ジャパン・ファウンデーションから送られてきた日本語教材が、重量オーバーのため受け取りにお金を払ったときいていたので、了解した旨を伝えお金を払おうとしました。すると、お金は郵便局では受け取れないので、税関へ行くように言われ、税関の住所を渡されました。郵便局から税関までは徒歩10分ほどの所にあり、郵便局から税関まで直行しました。税関で、お金を払い郵便物を受け取りに来た旨を伝えましたが、税関の職員も担当者がわからず、3つの部屋に案内されました。

3つ目の部屋の女性係官が、ウラジオストクの税関に電話をかけ、事態が明らかになりました。彼女のロシア語の内容がはっきりわからず、困っていると英語の少し話せる男性職員が通訳にきてくれました。送られてきた荷物は、ロシアの郵便法に違反しているので、別の日に通訳を同行して税関にくるように言われました。


翌日タチヤナ先生に、税関に勤務している卒業生に調べてもらった所、本の大きさが著しく異なるものがある(そんな法律があったのかなあ?)ため、本人立会いの下に写真撮影し、荷物受け渡しの許可証を作成し、お金を払ったあとで、初めて荷物が受け取れることが分かりました。このため、税関へ2度、中央郵便局に2度行かなければならなくなりました。もし、本以外の食べ物などが入っていると、罰金と、衛生証明書が必要になるということでした。というわけで、Mさん、池波正太郎 38冊が届くまで、もう少しかかります。

ロシアの郵便局を民営化しろ

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