2008年4月30日水曜日

ウスリースク便り(42)

4月に入り、早朝に2回雪が1cmほど積もりましたが、午後には暖かくなり雪も消えてしまいました。13日、14日は、午後になっても10℃を越えず、1日中強い北風が吹いていて、寒い思いをしました。このあと2~3日強い風の日が続いたあとで、春がやって来ます。10日(木)で5年生の授業が全て終了しました。11日(金)は午後から5年生の卒業記念の演芸大会が行われ、歌や、踊り、寸劇などが行われました。夜はホテルのレストランで会食とダンスパーティーが行われました。14日(月)から卒業試験、6月には国家試験が行われ、両方の試験に合格しなければ卒業がすることはできません。日本であれば、卒業が正式に決まるか、卒業式のあとに卒業記念パーティーを開くのが一般的ですが、これもロシア式とでもいうのでしょうか。


(1) トラブルその後
d. 郵便物を受け取りました。

日本から送られてきた書籍の入ったダンボール箱をやっと受け取ることができました。翌週の月曜日に、大学へ自動車使用依頼書(実際はバス)を提出し水曜日に大学職員とともに、税関と郵便局へ行くことになりました。3時限目にあたる11時40分に出発の予定でしたが、直前にバスが故障して動かず、 やむなく予定を変更しました。学校のバスは30年近くたったバスで、よく故障します。2年半前に空港まで私を迎えに来てくれて、そのまま動かなくなり運転手とバスは空港内の駐車場に1泊したといういわくつきのものです。

3年生のオーリヤさんとカーチャさんが一緒に行ってくれることになりました。二人は中国語専攻の学生で、第二外国語として日本語を履修しています。カーチャさんのお父さんは日本から中古車を輸入販売しているとのことで、日本文化への関心も高く、日本語の学習も熱心です。

オーリヤさんは、3ヶ月間自動車学校にかよって、2年前に免許を取ったとのこと。費用は12,000p(約 60,000円)かかったとのことでした。オーリさんがお母さんと共用している車は、なんと私が徳島県で3年間乗ったグリーンの日産マーチでした。冬の間はほとんどの車が洗車をしないで乗っています。

洗車をしても、雪解けの水ですぐに車が汚れてしまうためです。彼女も車の汚れを気にせずに乗っているようです。大学から車で20分ほどの所に、郵便物を運ぶ、Ussuriisk Transportation Ltd.(ロシア語の他に英語表記あり)があり、その一角に税関がありました。ここで分かったことは、書籍の中に手紙と写真が入っていて、 郵便物に関する法律違反にあたるとのことでした。違反の程度が軽いということで、郵便局で税関員立会いのもとの写真撮影と書類作成を免除してもらえることになりました。

郵便物を受け取ることを承認するスタンプを押してもらい、中央郵便局へむかいました。郵便局へ行くと、受け取り窓口に5人の人が並んでいました。待つこと30分、所定の手続きをとって本を受け取るまで10分、計40分かかりました。

ロシアの郵便局の効率の悪さは驚くべきほどです。郵便物受け取り窓口の担当者はたった1人で、配達記録用紙を提出すると,用紙を確認して、局内から大きな袋を抱えて戻ってきます。袋の中に私宛のダンボール箱がいれてありました。ダンボールを袋から出すと、書類と一致するかを確認してコンピューターに書類番号と氏名を入力しました。その後で、同じ内容をノートに書き写しました。

最後に郵便法違反のため罰金610p(約3000円)を上司の確認のもとに手提げ金庫にしまいました。ロシアの郵便局は、日曜日と月曜日は完全休業で、その他の5日間も、午後1時~2時まで、全ての部署が一斉に昼休みをとります。

また時間が来れば、窓口に何人並んでいようが、おかまいなしに、業務をストップしてしまいます。ロシアへは、内容品の詳細な記載に書いた物以外を送ると郵便法違反になり罰金が科せられるのでご注意ください。

私の同僚のM先生は、日本から送られた辞書の背表紙まではがされて検査されたことがあるそうです。池波正太郎「鬼平犯科帳」全24冊、藤沢周平、浅田次郎、荻原浩,などの作品全37冊、Mさんありがとうございました。7月の帰国時まで当分の間楽しめそうです。

e. スリにご用心。
 二週間に一度、ウラジオストクの海洋大学へ囲碁の指導に行っています。遠距離要のバスターミナルは、町の中心部から30分ほど離れた場所にあります。6日(日)の帰りに、ターミナルに行くまでの間、バスのゆれと前日の疲れからつい居眠りをしてしまいました。

私の座った席は最後尾の左側の席でした。途中で20代とおぼしき若者が乗ってきて横に座りました。途中で居眠りをしてしまい、バスの大きなゆれで目をさますと、私の前の床に置いていたリュックサックの中に若者の左手が入っているのが見えました。

思わず男の手を掴んで「オイ」と日本語で叫んでしまいました。若者は悪びれた様子もなく、次の停留所で降りていきました。ちなみに、ロシア語で「オイ」は驚いた時に、「あら」とか「まあ」とかいった感じで使います。私が、「スリだ」とか「どろぼう」とかロシア語で叫べば男の態度も周囲の反応も違ったかもしれません。ウラジオストクはスリが多いと聞いていましたが、自分があやうくスリの被害者になろうとは思ってもいませんでした。

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